新そばとは 新そばの時期

新そばのポスターを貼りだすとお客様から「このポスターにある新そばをください」という注文がたまにあります。「新蕎麦とは、その年の秋に収穫された蕎麦のことで、今日のお蕎麦は全て新そばで打っています」と説明します。香り高く甘みのあるちょっと緑がかった蕎麦で、この時期の蕎麦が一年で最もおいしいとされています、でもその香りや色、甘みなど微妙な差なのでじっくり味わってお召し上がりください。

一般的に「新そば」とは秋に収穫されたそばで9月から11月に収穫された「秋新」と呼ばれる蕎麦のことです。「夏新」という6月中旬から8月中旬に収穫された物もありますし、南半球のオーストラリア産は季節が逆なので春に新そばが出回ります。夏新などより秋新のほうが風味が優れているため、秋新を特別に「新そば」と呼んでいます。その9月から11月に収穫された新そばが旬のお蕎麦で特に風味の強い時期なので「新そば」を謳っているわけです。

この「新そば」の時期については各店舗によって考え方に統一性はないようで、特に最近は保存技術が向上し時間がたっても以前に比べてさほど劣化が見られないので「新そば」は昔に比べ長く楽しめる傾向にあります。そばは熱が加わると香りがとんでしまいますが、低温倉庫で大切に保管されます、さらに以前は安価に製粉できるのでロール挽きが多用されましたが、最近はより劣化の少ない石臼挽きが主流になりつつありロール挽きにしても回転数を落として熱の発生をぎりぎりまで抑えるなど様々な工夫をしています、そうした理由から当店ではおおよそ3カ月程度は「新そば」としております。

製粉会社の出荷状況を見ても各社まちまちで、「新そばに切り替わってからおよそ一カ月」とする会社もあれば、「厳密な規格が無いので毎年バラバラです」という会社もあったりします。

新そばは風味もあって美味しい季節ではありますがこの時期以外も一年中美味しいおそばを召し上がっていただけるよう保存や製麺、また少量仕入れなど様々な努力をしております。是非おいしいおそばをお召し上がりください。

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