年越し蕎麦 由来と食べるタイミング
大晦日(12月31日の夜)とは、正月の歳神様を眠らないで迎える日。除夜の鐘をききながら年越しそばを食べる。細く長く寿命が延びるように願うとされる。農林水産省HPより
年越し蕎麦は神事です
由来については「長寿願望説」のほか「大店慣習説」「厄払い説」「金運向上説」など蕎麦研究の第一人者新島先生がその著書「蕎麦歳時記」で詳しく書かれています。
特別な蕎麦
年越しは農林水産省のHPでいうように、歳神様を眠らずに(除夜)お迎えする儀式です。
うどん文化の大阪(関西)でも、昭和の風景として「年越しそばを出前してもらって除夜の鐘を聞きながら晴れやかな気持ちで食べた」ことが「聞き書き・大阪の食事」に書かれています。
昔の考え方で、一日の終わりは日没。つまり大みそかの夜はすでに新年という概念です。だから禊(みそぎ)をし歳神様をお迎えするイベントを行いそのイベントが終わってからの祝宴の料理として「年越し蕎麦」が出された歴史があります。
文部省の調査資料
文部省の資料(大正10-15)によれば江戸時代の神社総数は約46万ヶ寺とされていて、現在の総数約7.5万ヶ寺に比べずいぶん多かったことがわかります。
すべての寺院が除夜の鐘をついたとは思えませんが、当時はいまより音を遮るものも無くかなり遠くまで鐘の音が響いたと思われ、「年越し蕎麦」を食べるタイミングになったことと想像できます。
除夜の鐘を聞きながら食べる年越しそばは特別な蕎麦、大晦日はご自宅で「年越し蕎麦」を召し上がって歳神様をお迎え下さい。